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セカイ系

セカイ系

■概念

過剰な自意識を持った主人公が(それ故)自意識の範疇だけが世界(セカイ)であると認識・行動する(主にアニメやコミックの)一連の作品群のカテゴリ総称。

『新世紀エヴァンゲリオン』『ほしのこえ』『最終兵器彼女』などがこれにあたる。

小説なら『イリヤの空、UFOの夏』や、桜井亜美や田口ランディの作品など。


[きみとぼく←→社会←→世界]という3段階のうち、「社会」をすっ飛ばして「きみとぼく」と「世界」のあり方が直結してしまうような作品を指すという定義もあるようだ。特に『最終兵器彼女』などは、“きみとぼく”が「世界」の上位に来ている、すなわち「きみとぼく」の行動で「世界」の行く末が決まってしまうという設定であるのも興味深い。

テレビドラマでいえば『高校教師』『世紀末の詩』『リップスティック』などの、いわゆる野島ドラマがそれにあたるといえるかもしれない(当時はその言葉は無かったが)。特にリップスティック最終回に前述のセカイ系の典型が顕著にあらわれている。


■成立

ぷるにえブックマークの作者ぷるにえ氏(id:tokataki)が、2002年10月下旬から使い始めたのが始まり。

11月1日

●「セカイ系」のまとめ

・ぷるにえが一人で勝手に使ってる言葉で、大した意味はない。

・エヴァっぽい(=一人語りの激しい)作品に対して、わずかな揶揄を込めつつ用いる

・これらの作品は特徴として、たかだか語り手自身の了見を「世界」という誇大な言葉で表したがる傾向があり、そこから「セカイ系」という名称になった

ぷるにえブックマーク「セカイ系」関連の記述(in Internet Archive Wayback Machine)

なお、インターネット上における初出は、ぷるにえブックマーク内掲示板におけるぷるにえ氏の10月31日02:27の書き込みであるとされる。

セカイ系 投稿者:ぷるにえブックマーク 投稿日:2002/10/31(Thu) 02:27 No.93

って結局何なのよ。

とりあえず、

リピュア後半はセカイ系かなあと。

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Rough-Laugh セカイ系の起源(in Internet Archive Wayback Machine)

■資料

笠井潔は、評論『社会領域の消失と「セカイ」の構造』*1において、次のように理解する。

セカイ

日常的で平明な現実にいる無力な少年と、妄想的な戦闘空間に位置する戦闘美少女?とが接触し、キミとボクの純愛関係が生じる第三の領域。

セカイ系

私的な日常(小状況)とハルマゲドン(大状況)を媒介する社会領域(中状況)を方法的に消去した作品群。

笠井は、《日常、現実、内部》と《異常、妄想、外部》の二項対立的世界から逸脱し、セカイ系への道を拓いたものとして、『新世紀エヴァンゲリオン』『ブギーポップは笑わない』を挙げている。

斎藤環は2人の論者の言説を引用しつつ、間接的ながら「媒介的なるものの喪失」につき以下のように述べている*2。

別役実

皮膚感覚でお互いに感じ取れる距離については「近景」。家族や地域社会といった共同体的な対人距離で構成される「中景」。神秘的なものや占いを信じるような態度は「遠景」につながる。そしていまや、近景と遠景を媒介するはずの「中景」が抜けてしまって、近景と遠景がネットワークを通じていきなり接続されるというのだ。

東浩紀

ラカンの用語を用いて、「象徴界の喪失」と表現している。ここで「近景」は「想像界」に、「遠景」は「現実界」に相当する。(中略)主人公たちの学園生活といった日常、すなわち想像界と、世界破滅の危機といった無限遠の彼方にある現実界とがいきなり結びつけられがちであることを指摘する。そこには「中景」にあたる「社会」や「イデオロギー」が存在しない。

<内面>と<世界>とをつなぐ橋渡しとしての<社会>を嫌がる態度(で描かれた作品)

(惑星開発委員会仕様*3)

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